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【やり甲斐のある仕事】と【やりやすい仕事】は、ほぼ正反対の事を言っている。

最近よく【やり甲斐のある仕事をしよう！】とか【自分の生き甲斐を探そう！】という綺麗なイメージで簡単に使っている【～甲斐】というフレーズをよく耳にします。

でも本来【～甲斐】って【やりづらい】ことを指した言葉だと思うのです。

例えば【やり甲斐のある仕事】というと、とても大変な仕事をやりぬいて、達成した後にほんの少しの嬉しい事があることを言うのだと僕は思います。

そのほんの少しの嬉しい事が、他では得難い貴重なものだから「やるのが大変な仕事だったけど、最後までやって良かったね！やり甲斐のある仕事だったね！」となるのだと思うのです。

ですから「やり甲斐のある仕事ですから、あなたも気楽にチャレンジしてみませんか？」ってキャッチフレーズは、ちょっと違うよなと感じてしまいます。

例えば、僕の場合。

僕は自分の仕事に【やり甲斐】を感じていますし、今の人生に【生き甲斐】を見出しています。でも決して簡単なものでは無いことをよく知っています。

今年で自営を始めて10年になりますが、店を営業する為にいろいろなものを切り捨ててきました。まずはお休みを切り捨てました。1年でお休みは7日。それを9年間続けました。個人的な趣味を切り捨てました。ほとんどの時間を仕事に費やす為です。車、バイク、服、靴、旅行、その全てよりも家族で切り盛りするお店を続ける事が、僕には重要だし必要だと感じたからです。だから、誰に言われたわけでもないのに休まず一心に仕事をやり続けてきました。

すると、嬉しい瞬間が訪れることがあるのを知りました。

何年もずっと店に来てくださる常連さんの存在。 開店当初は幼稚園生だった子供達が中学生になり、友達とお店を利用してくれたり。 病気で長く入院されていたおばあちゃんが、たった少しの仮退院中にわざわざ来店してくださったり。 毎年必ずこの店でパーティをやることを楽しみにしてくれている会社の方々だったり。 地方に転勤された方が、東京出張の際にわざわざ来店してくれたり。

こんなに【やり甲斐】を感じる事はサラリーマン時代にはなかったことです。

また、24時間358日共に働くこの超絶ハードなブラック自営業なのに、文句１つ言わず毎日楽しく笑顔で暮らせていられる家族への信頼と感謝。良い時でも悪い時でも、変わらず店や僕らの事を助け続けてくれる大事な仲間の存在。生きるって楽しいじゃないか！こんな【生き甲斐】を感じられただけでも自営を始めて良かったなと日々感じています。

僕にとっての【やり甲斐】とか【生き甲斐】とはそう言うものたちです。だからこそ得難い素晴らしいもだと感じています。

【やり甲斐のある事】や【生き甲斐を見つける事】は本当に素晴らしい事です。ただ、簡単に手に入る種類のものでは無いという事です。また誰かから貰えるものでは無く、自分で必死につかみ取るものだと思うのです。

そんな貴重なものを手に入れる為に重要な事は

大変なことだと覚悟すること、簡単に諦めて投げ出してしまわないこと、そして自分に言い訳をせず信じてコツコツと積み上げていく事だと、僕は思っています。

ん？この言い回し・・・・何か思い出すな・・・・ 『～負けないこと・投げ出さないこと・逃げ出さないこと・信じぬくこと～♪』 なんと、偶然にも大事MANブラザーズバンドのとある名曲と似ている(笑)

今の時代のニーズである【やりやすい】・【生きやすい】とは真逆の方向性ですから、一般的なキャッチフレーズにできるとは僕には思えませんが【やり甲斐のある事】や【生き甲斐を見つける事】が本当に出来たなら、決してお金なんかでは買えない価値のあるものを得ることが出来るでしょう。

誰かの為ではなく、自分や自分の大切な人たちの為に、そんな素敵な人生が見つけられたら幸せですよね。

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